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お話と音楽

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ギャラネコに帰って来たぜ の巻

5匹は久しぶりに、エミーの家に帰ってきました。キャッツアイから休む間もなくバルバランへ行くことになり、さすがの5匹も疲れていました。 グレ「しばらく静かに休みたいな。」
マスター「たまには気ままな旅でもしたいぜ。」
カノジョ「休みたいならここにいればいいじゃない。」
マスター「この疲れは、どこか全く別のところへ行って、気分転換をしなければ、治らないだろう。」
チャピー「又、マスターの贅沢病がはじまったわね。」

4匹はエミーの手料理に舌鼓をうちながら、しばらくのんびりしたい意見は一致したものの、その方法についてはそれぞれの思いがあるようでした。

カノジョ「ギャラネコで近いうちにアースデイのイベントがあるそうよ。メルリンケルから手紙が来ていたの。彼はイベントのコンサートに出演するから、みんなも来ませんか。と書いてあったわ。」
チャピー「アースデイって何?」
カノジョ「アースデイというのは、全世界の生き物たちが、その日は地球のことを考えようという日なの。」
グレ「そうか、僕たち地球という星で暮らしているのに、そんなこと考えたこともなかった。」
チャピー「世界の生き物たちがみんな同じ日に地球のことを思うイベント、すてきだわ!!ギャラネコに帰ってみましょうよ。」

その夜、遅くまで話し合った結果、のんびりしたい気持ちはあるものの、やっぱりギャラネコに帰って、みんなの顔が見たいという結論に達したのです。

あくる朝、エミーもいっしょにギャラネコに行くことになり、5匹はまほうのじゅうたんに乗って、旅立ったのです。

カノジョ「私たち結局じっとしていられない性格ね。」
グレ「そうだよ、昨日エミーの家に帰ったばかりなのに、もうこうして旅に出ている。」
チャピー「でも、アースデイ楽しみだわ。なんだか疲れも飛んでしまったわ。」
しばらく青い海の上を飛んでいくうちに、ギャラネコの風景が見えてきました。

グレ「メルリンケル、どうしているかな、あいかわらずスカシテいるだろうなあ。」
カノジョ「ネズミ委員長のレストランにも行ってみたいわね。」
チャピー「リスさんやコロボックルにも会いたいし、コロボックルの村にも行ってみましょう。」
エミー「私もコロボックルさんたちにお会いしたいわ。知恵の薬とトウメイ薬は随分作っていただいて、そのおかげで、たくさんのネコやウサギたちが助かったのだもの、会ってお礼を言いたいのです。」

やがてその日の夕方、じゅうたんはグレたちが元住んでいた家の前に降り立ちました。
マスター「しばらく空き家になっていたから、だれか住んでいるんじゃないかな。」
グレ「あ、大丈夫、誰もいないようだ、しかしドアに鍵もかかっていない。俺たち、鍵もかけないで、出て行ったのかな。」
チャピー「こんなおんぼろな家だもの、誰も住む気にならなかったのよ。」
カノジョ「きゃー!!埃だらけよ。掃除をしないと、今夜寝られないわ。」
5匹は休む間もなく、しばらく空き家になっていた我が家の掃除を始めました。
やっと掃除が済んだころは、日もとっぷりと暮れていました。
カノジョ「今日は外で食事をしましょう。ネズミ委員長のレストランに行ってみましょう。」

5匹は夜の街に出て、ネズミ委員長の経営するレストランに向かいました。
ギャラネコの街は随分活気に溢れていて、外国のネコたちの姿も多く見かけました。アースデイのイベントのために、外国からも、出演者や観光客がたくさん来ているようです。
グレたちもノラーズの頃を思い出して、急に演奏したくなりましたが、誰も口に出しては言いませんでした。もう長いこと練習もしていないし、楽器も持ってきていなかったからです。

ネズミ委員長のレストランは5つ星の豪華なレストランでした。
マスター「へえ!!こんなに立派になったのか、すげーなあ。」
カノジョ「ギャラネコに向かう船で、ドラネコ船長たちの食べ残した残飯で、すばらしい料理を作っていたことを思い出したわ。」
グレ「あのころから、料理の腕は抜群だったからね。」

レストランの中に入ると、ネズミ委員長がお客さんのテーブルで、料理の説明をしているところでした。委員長はグレたちに気がついて、グレたちのテーブルにやってきました。
委員長「よく来てくれましたね。ギャラネコにはいつ来られたのですか?」
グレがいきさつを話しました。ギャラネコには今日着いたこと、家がほこりだらけで、掃除するのに、一苦労だったこと、アースデイのイベントを見にきたことなど。

委員長「ノラーズは出演しないの?久しぶりにノラーズの演奏、聞きたいなあ。」
カノジョ「私たち、ずーっと色々なことがあって、練習をしてこなかったの。」
そういいながら、4匹は出演したい気持ちがむらむら湧いてくるのでした。

ネズミ委員長はすばらしいごちそうを次々と出してくれました。
「こんなおいしい料理は、初めてだわ。」
エミーも大満足です。

グレたちがおなかもいっぱいになって、幸せな気分でレストランを出たときは、もう夜もすっかり更けていました。
月明かりが5匹の足元を照らして、家までの道案内をしてくれました。

グレ「俺たちもイベントに出たいな。」
チャピー「でも楽器も持っていないわ。」
グレ「楽器はないけど、歌うことならできるさ。」
しばらく沈黙したあと、カノジョが歌いだしました。
「アメージング グレース。。。。」
他の4匹もそのあとのフレーズに加わりました。
自然に美しいハーモニーが響いてきます。
エミーも美しい声で、歌うことができるのです。
アメ-ジング グレースを最後まで歌い終えると5匹は
「アースデイで歌おう!!」と心に決めたのです。

つづく

BGM 浮雲(メンデルスゾーン)

イラストの説明
{メイとクロスケが作ってくれた魔法のじゅうたんに乗って、ギャラネコに向かうグレたち}
メイとクロスケが作ってくれた魔法のじゅうたんに乗って、ギャラネコに向かうグレたち

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