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お話と音楽

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ジュールの街は今の巻き

あの日のメルリンケルのコンサート以来、グレとマスターもすっかりメル様ファンになっていました。
最も、マスターの場合は、メイと錯覚しているようでしたが。
メルリンケルも、ノラーズのファンだったので、それからは度々共演するようになりました。メルリンケルのコンサートにノラーズが客演したり、ノラーズのストリートミュージッシャンの広場に、メルリンケルがやってきたり、両方のファンのねこたちにとっても、うれしいかぎりでした。

季節はもうすぐ11月になろうとしていました。着の身着のままでジュールの街を出てから、10ヶ月たちました。
グレたちは、今日までポールや、ジュールのねこたちのことを忘れた日はありません。ジュールに送る資金を作る為にストリートミュージッシャンになったのです。
ギャラネコポリスでは、結構有名になってきたノラーズは、大きなステージでコンサートを開くこともできるようになりました。でも、ノラーズはストリートミュージックが好きでした。コンサートのチケットも買えないのらねこや、子供たちも見に来てくれる、ストリートミュージックがノラーズの原点でしたので、スケジュールの半分はストリートミュージックの活動を続けていました。

「ジュールに食料や毛布、衣料品、井戸を掘る機械、色んなものを送らなくては。もうすぐ冬になるわ。急ぎましょう。」
カノジョが声をかけました。
成功を収めたといっても、まだかけだしのノラーズでは、さほどの援助はできませんでしたが、それでも当面の生活費と、クロスケの家に帰る旅費だけを残して、後は全部救援物資に変えました。ジュールのねこたちは、お金よりも物資を必要としていることをわかっていたからです。その中には、こどもたちの絵本や教科書、ノートなど、少しでも勉強できるように、教材も入っていました。
本当は、はやく学校を建てられるといいのだけど。」
グレはポールに手紙を書きました。
「ポール、しばらくだね。元気にしていますか。僕たちはジュールを出てから、ノラーズというグループでストリートミュージッシャンをやってきました。やっと、少しですが救援物資を送れるようになったので、送ります。まだまだ足りないとは思いますが、僕たちもがんばって、又送れるようにします。これから寒くなるので、風邪をひかないように気をつけてください。ジュールのみなさんによろしく。グレ」
しばらくすると、ポールから返事が届きました。
「ノラーズのみなさん、救援物資をありがとう。これから寒くなるところなので、食料や毛布は必需品でした。これで助かるねこが大勢います。子供たちも教科書など、送ってもらって、とても喜んでいます。ジュールは少しづつ平和を取り戻しつつありますが、まだ地雷などが埋まっていたり、危険がいっぱいです。今でも栄養失調や、怪我、病気などで、毎日たくさんのねこが死んでいきます。もう2度と戦争は起こさないでもらいたい。あまりにも失うものが大きいからです。でも、ぼくたちは負けません。がんばって、ジュールを復興させていきます。ノラーズも健康に気をつけてください。ポール」

グレたちは、ジュールに行ったとき、ジュールのみんなが歌ってくれた、「風のトロイア」という歌を思い出しました。あんな悲惨なときでも、希望に満ちた表情で歌っていたのを思い出しました。だから、ジュールは又、昔のような平和な街に戻れると思います。
カノジョ
「さあ、私たちはクロスケの家に行かなくちゃ。みんなが待っているわ。」
クロスケが亡くなったあと、クロスケの家は、うぐいすのバーバラさん親子が住んでくれていました。もうそろそろクリスマスの準備が始まろうとしていたのです。去年グレたちは手伝ったので、クリスマスの準備がどんなに大変か、わかっていました。クロスケがいなくなっても、大きなクリスマスツリーを立てて、恒例の行事を行わなくてはなりません。4匹はクロスケの家に向けて旅立ちました。

つづく

BGM プロローグ(Kurosuke)

ジュールの猫たち

お知らせ

一人の高校生が地雷撲滅を願って、絵葉書を作り、一人で募金活動をはじめました。
彼女は現在大学1年生で、募金活動と署名活動を続けています。
私(花岡文子)は、この活動を支援しています。皆さんのご協力をお願いいたします。
詳細はEメール:glay-cat-kurosuke@nifty.comでお尋ねください。

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